こんにちは。
にしっぴ〜です。
本日は前回の続きです。
前回はロッドの基本製法についてのお話をさせていただきました。
いよいよ今回からは、各メーカーのロッド製造における公表技術についてのお話をしていきます。
とはいっても大体的に公表しているのがダイワ、シマノですので、この2社に限って紹介します。
なお、ここでお話することは僕自身がネットや書籍などで調べた知識です。
間違ったところもあるかもしれませんので悪しからず。
今回は「ダイワテクノロジー」について。
出典:フィッシング(釣り)のDAIWA:トップページ-製品情報・つり情報・イベント情報など
カタログ上では様々な技術が紹介されていますが、ロッドに関する技術として3点ほど紹介させていだきます。
X45
出典:DAIWA : モアザン ブランジーノ AGS – Web site
これはロッド基本製法でお話したマンドレルにプリプレグを巻きつける時の方法ですね。
通常のローリング方法は、縦方向(0°方向)と横方向(90°方向)の巻きつけが一般的です。
このX45というものは、基本構造の縦横方向のプリプレグを巻きつける方法にプラスして±45°方向のプリプレグを巻きつける4層構造をしています。
縦方向の曲げ、横方向のツブレ防止、斜め方向のネジレ防止に対応した構造です。
当然、層を増やせばロッド全体の重量増に繋がります。同社では、バッドからティップ全てに巻きつける訳でなく、ネジレが発生しやすい箇所にのみ搭載されいるようです。
いずれにしても基本構造にプラスでは重量が増えますので、巻く層(厚さ)の変更や各パーツの調整などをしていると思われます。AGSもその一つではないでしょうか?
SVF
出典:DAIWA : モアザン ブランジーノ AGS – Web site
これはプリプレグ(カーボンシート)自体のことです。基本製法でお話したプリプレグの樹脂成分(レジン)をより減らす製法です。
そもそもプリプレグそのものを製造しているのは、決して同社ではありません。
主に東レ、東邦テナックス、三菱レイヨンなどがプリプレグそのものを製造しています。ダイワはこのプリプレグを仕入れて加工しているに過ぎません。
ダイワはこのプリプレグをマンドレルに巻く際に、熱と圧力を掛けて染み出した樹脂を拭き取ることでこの低樹脂シートを作っているようです。
同社ではこの樹脂量によって呼び名が変わります。
HVF<SVF<SUPER SVF<Z-SVFの順で右にいくほど低樹脂シートになります。
実際のところプリプレグ製造メーカーにも低樹脂シートはあります。
コスト的なところを考えてなのかは分かりませんが、いずれにしても私たち消費者には、全く見えない部分です。同社の話を信じるしかありませんが、非常に分かりにくい部分ではありますね。
3DX
出典:DAIWA : モアザン ブランジーノ AGS – Web site
これもプリプレグの一つで正六角形状に並べたカーボン繊維構造のシートのようです。
あくまでもサポート的な役割ということで、ロッドの外周部分に使う素材のようです。
同社はこのシートが、復元力という点において存在感を発揮すると謳っています。
ティップ部などに使用することで、ブレやバタツキを抑え、飛距離や飛びの安定に繋がるようです。
またこのシートは、見た目の美しさゆえにバッド部に用いたりするようです。
デザイン性を重視する同社にはその目的で使用するためのもののような気がしますが…。
以上、ダイワ社のロッド技術についてのお話をさせていただきました。
実際のところまだまだ多くの技術があります。
ほとんどロッドの基本製法を知っていれば理解できるものだと思いますので、
カタログなどを見ていただければ自分自身の知識向上に繋がるのではないかと思います。
明日は、シマノテクノロジーについてです。
それでは、また。